亡くなった父が長男にした贈与によって私の遺留分の権利が侵害されているように思います。具体的に侵害されているかどうかはどうやって計算しますか?

遺留分は、亡くなった方が亡くなったとき、つまり相続が開始した時にもっていた財産の金額に贈与した財産の金額を加えてから、相続財産の債務の全額を引いてから、それを遺留分算定の基礎として算定します。

そこで、相続された財産の状態によってはとても複雑な計算が必要になります。

というわけで、まずは、遺留分算定の基礎となる財産の範囲を明らかにし、その財産の評価をする必要があるのです。

* 相続開始時にあった財産は何か?
これが基礎となる財産となります。亡くなったときに有していた財産です。
(もっとも、墓や家系図等の祭祀財産は、その承継が相続とは別に決定されることから含まれません。)
また、一定の条件が付いている権利などは、その評価額は、争いがあれば家庭裁判所の選定した鑑定人の評価によりことになります。

* 遺贈された財産
この遺贈された財産も、遺留分算定の基礎となる財産になります。

*死因贈与された財産
死因贈与は、贈与契約自体は被相続人の生前になされるものです。この死因贈与について、相続開始前1年間の間にしたものに限って遺留分算定の基礎となる財産に含めるのか見解と、遺贈と同じく扱うという考えがあります。通常は、遺贈とおなじく遺留分の基礎となる財産に含めています。

* 生前の贈与生前に亡くなった方が贈与した財産
相続開始前の1年間にしたものは遺留分の算定の基礎となる財産です。
それより前なら、当事者双方が遺留分権利者に損害を加えることを知って贈与したものは、遺留分算定の基礎となる財産に含まれますが、実際にはこれを立証するのは難しいこともおおいでしょう。ただ、遺留分権利者を害する目的までは必要ではなく、贈与契約時に遺留分を侵害する事実がわかっていて、将来被相続人の財産の増加がないことを予想している程度でよいといわれています。

よって、働くことができず、これ以上財産の増加が見込まれない人が、相続開始前に、短期間にかなりの財産を贈与した場合などは、遺留分権利者を害することを知ってなされたものといえるでしょう。

* 不当に安く売るなどした場合
そのような対価が不相当な場合、当事者双方が遺留分権利者に損害を加えることを知って行った場合には、贈与とみなされるので、遺留分算定の基礎財産に含まれます。
もっとも、遺留分権利者が減殺請求をするときには、その安い対価を返還しなければなりません。

* 特別受益
共同相続人のなかに、被相続人から生前に婚姻、養子縁組のため、もしくは生計の資本として贈与 (特別受益) を受けた者があるときには、被相続人が相続開始時に有した財産の価額にその贈与の価額を加えたものが相続財産とみなされます。
遺留分についても特別受益の規定が準用されているため、特別受益財産は、贈与の時期や損害を加えることを知っていたか否かにかかわらず遺留分算定の基礎財産に含まれることになります。

* 遺留分算定の基礎となる財産の評価
遺留分算定の基礎となる財産の評価基準時については、相続開始の時、すなわち、被相続人死亡の時が基準とされています(最高裁判所昭和51年3月18日判決)。
どうしてかというと、遺留分が具体的に発生、確定するのは相続開始の時だからです。

したがって、被相続人が生前に金銭を贈与していた場合には、贈与のときの金額を相続開始のときの貨幣価値に換算した額をもって評価すべきことになります。 貨幣価値に換算というのはどうやってやるかですが、総理府統計局編 「家計調査年報」、「消費者物価指数報告」 記載の消費者物価指数などをもとに計算します。インフレ等の影響をこれでみるわけですね。

* 相続財産から控除すべき債務
相続財産から除いて考える債務として、税金などがあります。相続財産管理にかかる費用等や遺言執行費用は、控除されないと考えられています。

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